ダイベストメント対象企業約5,500社のデータベースを公開~日本の化石燃料関連企業等228社も対象に

12 12月 2024


NGO12団体による国際共同イニシアチブである「Financial Exclusion Tracker(※1)」は、機関投資家、年金基金、銀行等世界17カ国の93金融機関によって投融資対象から除外(ダイベスト)されている企業のデータベースの最新版を公開した。本データベースでは、化石燃料、武器、タバコ製造企業等、世界全体で5,536の企業グループ(66,708の子会社)のダイベストメントが確認されており、うち228社が日本企業だった。

Financial Exclusion Trackerは、除外対象となっている企業がビジネス慣行を改善させること、また金融機関がダイベストメント方針を公開して透明性を高めることを目指している。Financial Exclusion Trackerは2023年10月に第一弾が発表され、今回、2024年12月12日の第二弾では調査対象の金融機関と除外対象会社を追加し、除外理由となっているセクター内訳を公開した。

Financial Exclusion Trackerによると、世界全体で企業が投融資対象から除外される最大の理由となっているセクターは気候変動/化石燃料(48%)で、次いで武器製造(14%)、タバコ製造(11%)、戦争や経済制裁等(6%)、アルコール、パーム油、ギャンブル等の特定事業(5%)、人権(4%)、規範を逸脱したビジネス慣行(例:高利貸付、ステークホルダーとの対話欠如、汚職)(3%)となっている。特に、化石燃料企業は気候変動カテゴリーだけでなく、人権侵害や物議を醸すビジネス慣行に関するカテゴリーでも除外対象とされている。

金融機関からダイベストされている日本の企業上位20社には、電力会社11社、化石燃料製造・販売会社3社、商社4社に加え、日本たばこ産業株式会社とダイキン工業株式会社が含まれている。これらの20社の内19社が気候変動/化石燃料を理由にダイベストされており、アルコール、パーム油、ギャンブル等の特定事業(9社)、武器製造(8社)、規範を逸脱したビジネス慣行(6社)、タバコ製造(5社)、環境(3社)、人権(3社)となっている。

ダイベストされている日本の企業上位20社

特に気候変動・化石燃料関連企業については、パリ協定1.5度目標に整合したビジネス計画の策定と新規化石燃料事業からの撤退、既存化石燃料事業から早期フェーズアウトを進めるべきである。また、金融機関には企業のダイベストメント方針を厳格に定め、公開するよう求める。

※1:https://financialexclusionstracker.org/

本件に関する問い合わせ先:
「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、田辺有輝/本川絢子
tanabe@jacses.org / honkawa@jacses.org