索引
 
【金融関連用語】
間接金融
直接金融
有価証券報告書
EDINET
ディスクロージャー誌

【CSR関連用語】
社会的責任投資(SRI)
ESG運用/ESG投資
トリプルボトムライン
CSR報告書
統合報告書(Integrated Report)
人権デュー・デリジェンス
環境アセスメント(環境影響評価)
保護価値の高い森林(HCVF)
レッドリスト
自由で事前の情報が十分に提供された上での合意(FPIC)
租税回避/租税回避地(タックスヘイブン)

【CSRに関する国際規範・イニシアテイブ関連用語】
国連グローバル・コンパクト
ビジネスと人権に関する指導原則(ラギー原則)
OECD多国籍企業行動指針
GRIガイドライン
ISO14000シリーズ
ISO26000
エクエーター原則(赤道原則)
自然資本宣言
FSC認証
FSC Chain of Custody Criteria認証
Forest Footprint Disclosure
カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト
世界ダム委員会の7原則
採取産業透明性イニシアティブ(EITI)
国際金属鉱業評議会(ICMM)による持続可能な開発のための10基本原則
報酬の方針と実施に関するヨーロッパガイドライン
WWFによるゴールド・スタンダード認証
アムネスティによるゴールデン・ルール
持続可能なバイオ燃料に関する円卓会議(RSB)の12原則
ファーム動物福祉協議会(FAWC)による5つの自由

【環境・人権・平和に関する国際条約関連】
世界人権宣言
国際人権規約
国際労働機関(ILO)の中核的労働基準
対人地雷禁止条約(オタワ条約)
クラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)
生物兵器禁止条約(BWC)
核兵器不拡散条約(NPT)
気候変動枠組み条約/京都議定書
生物多様性条約/カルタヘナ議定書/名古屋議定書
世界遺産条約
ラムサール条約
ワシントン条約
ウィーン条約/モントリオール議定書
バーゼル条約
ロッテルダム条約
ストックホルム条約




【金融関連用語】

間接金融
間接金融とは、貸し手(個人や企業)と借り手(国や企業)の間を銀行などの金融機関が仲介して、間接的にお金を融通する方法のことである。銀行が貸し手から預金を集め、銀行の責任で借り手に貸し付けるが、借り手が債務を返さないリスクは銀行が負っている。日本では、欧米諸国に比べて間接金融の比率が高くなっている。
参考:知るぽると(金融広報中央委員会)
http://www.shiruporuto.jp/finance/kinyu/yogo/yogo304.html

直接金融
直接金融とは、借り手(国や企業)が貸し手(個人や企業)から直接お金を融通してもらう方法のことである。借り手が有価証券(株式や債券など)を発行して、貸し手から直接的に資金を供給する。借り手が債務を返さないリスクは貸し手が負っている。金融ビックバンや規制緩和の進展などにより、金融システム全体が間接金融から直接金融にシフトしてきている。
参考:知るぽると(金融広報中央委員会)
http://www.shiruporuto.jp/finance/kinyu/yogo/yogo304.html

有価証券報告書
有価証券報告書とは、有価証券の発行企業が自社の情報を外部に開示するために作成する報告書である。市場の公正化と投資家保護を図ることを目的として、毎事業年度終了後3か月以内に内閣総理大臣に提出することが金融商品取引法第24条で義務付けられている。最近5年以内に提出された有価証券報告書はEDINETと呼ばれる金融庁が提供しているシステムで閲覧することができる。
参考:国立国会図書館
https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-honbun-102080.php

EDINET
EDINETとは、「Electric Disclosure for Investors’ NETwork」の略で、「金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム」のことである。有価証券報告書・有価証券届出書・大量保有報告書などの開示書類をインターネットに公開することにより、提出者の事務負担の軽減、投資家等による企業情報へのアクセスの公平・迅速化を図ることを目的として、金融庁が構築したシステムである。
参考:EDINET概要書
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/EKW0EZ0015.html

ディスクロージャー誌
ディスクロージャー誌とは、金融商品取引法第46条の4に基づき、銀行や証券会社、保険会社の経営方針や経営戦略、リスク管理体制やコンプライアンス体制、業務の内容、商品・サービスの内容、組織図や役員一覧、店舗ネットワークおよび業績の概要を一般に開示するための冊子である。ディスクロージャー誌は金融機関のウェブサイトや店舗で見ることができる。
参考:知るぽると(金融広報中央委員会)
http://www.shiruporuto.jp/finance/data/disclobank/disclobank001.html

【CSR関連用語】

社会的責任投資(SRI)
社会的責任投資(SRI: Socially Responsible Investment)とは、企業への投資を行う際に、従来の投資基準(企業の経済面)に加え、環境や社会への取り組みも評価に取り入れる投資の考え方をいう。企業の社会的責任(CSR: Corporate Social Responsibility)への要請の高まりとともに、1990年以降、急速に拡大した。
参考:社会的責任投資フォーラム(JSIF)
http://www.jsif.jp.net/#!data/c213l

ESG運用/ESG投資
ESG運用/ESG投資とは、投資先企業のE(Environment:環境)、S(Society:社会)、(Governance:コーポレート・ガバナンス)を考慮した資産運用・投資のことである。2006年に国連の責任投資原則(PRI)で謳われて以来、注目されている。Fair Finance Guideでは、「透明性」等のテーマにESG運用に関する基準がある。
参考:日本シェアホルダーサービス株式会社
http://www.jss-ltd.jp/kabutai/inside2/inside2-2.html

トリプルボトムライン
トリプルボトムラインとは、企業について財務的面だけで評価するのではなく、経済・社会・環境の3つの面から評価する考え方のこと。1997年にイギリスのサステナビリティ社の社長であるジョン・エルキントンが、決算書の最終行(ボトムライン)で収益・損失の結果を述べるように、社会・環境面を含めて評価するべきと提唱したことが発端となった。
参考:EICネット
http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&serial=3735

CSR報告書
CSR報告書とは、企業のCSR活動をまとめた報告書のこと。日本では1990年代後半から企業の環境活動をまとめた環境報告書として発展してきたが、Global Reporting Initiative(GRI)が経済・社会・環境の3つの面から評価するトリプルボトムラインの手法をガイドラインに採用し、CSR報告書へと発展した。日本のCSR報告書には、環境報告書に記載されていた経営責任者による緒言、環境方針、環境負荷の状況と対策、EMSの進捗状況などに加えて、法令順守や労働・安全衛生、社会貢献などに関する広範な事項が掲載されている。また、客観的な見解かつ専門的な知識を持つ第三者の意見を掲載したり、多様な利害関係者を招き、意見を直接聴いて企業活動に生かす「ステークホルダー・ダイアログ」や、ステークホルダー・エンゲージメントの理念を採用したりする企業も増えている。Fair Finance Guideでは、「透明性」等のテーマにCSR報告書やCSOとの対話に関する基準がある。
参考:緑のgoo
http://www.goo.ne.jp/green/business/word/business/S00188_kaisetsu.html

統合報告書(Integrated Report)
統合報告書(Integrated Report)とは、企業の売り上げなどの財務情報と、環境、社会、ガバナンスなどの非財務情報をまとめた報告書。統合報告は、経済のグローバル化、科学技術の進歩、急速な人口増加と資源の枯渇、環境破壊等、企業を取り巻く環境が大きく変化したことを背景に必要性が高まってきた。国際統合報告評議会(IIRC)は、2013年12月に7つの指導原則や8つの内容要素などを含むフレームワークを公表している。
参考:国際統合報告評議会(IIRC)
http://integratedreporting.org/wp-content/uploads/2015/03/International_IR_Framework_JP.pdf

人権デュー・デリジェンス
人権デュー・デリジェンスとは、人権リスクに関する内部統制のこと。2011年6月に国連人権理事会において「ビジネスと人権に関する指導原則」が採択され、企業が人権を尊重する責任を果たすための手続きとして具体化された。Fair Finance Guideでは「人権」等のテーマに人権デュー・デリジェンスに関する基準がある。
参考:日本弁護士連合会
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2015/150107_2.html

環境アセスメント(環境影響評価)
環境アセスメントとは、環境への負の影響を回避・緩和するために、その影響を調査・予測・評価すること。評価結果は、環境アセスメント報告書として公開され、作成にあたってステークホルダー協議などが行われる。環境のみならず社会面の影響を含めたアセスメントとして、環境・社会アセスメントがある。民間銀行が大規模な開発プロジェクト等に融資を行う場合は、エクエーター原則に則って環境・社会アセスメントが行われる。Fair Finance Guideでは、「自然環境」等のテーマに環境アセスメントに関する基準がある。
参考1:環境影響評価情報支援ネットワーク
http://www.env.go.jp/policy/assess/index.html

保護価値の高い森林(HCVF)
保護価値の高い森林(HCVF)とは、環境、社会経済、生物多様性、又は景観の価値の観点から重要な森林のこと。具体的には、世界的、地域的、国内的に重要な固有種や絶滅危惧種などが生息する森林や地域のコミュニティにとって重要な森林、危機的な状況において、水源の保護、土壌浸食制御など、自然の基本的なサービスを提供する森林を意味する。1999年に森林管理協議会(FSC)の森林認証制度で初めて提唱された概念だが、現在では幅広く活用されている。Fair Finance Guideでは、「自然環境」等のテーマにHCVFの保護方針に関する基準がある。
参考:WWFジャパン
http://www.wwf.or.jp/activities/2009/09/701514.html

レッドリスト
レッドリストとは、国際自然保護連合(IUCN)によって発表されている世界の絶滅のおそれのある動物のリスト。危機の度合いに応じてランク分けされており、一般に「絶滅のおそれのある野生生物」とされているのは、近絶滅種(CR)、絶滅危惧種(EN)、危急種(VU)の3つである。なお、日本の環境省もIUCNが作成したレッドリストの評価基準に基づいて日本独自のレッドデータブックおよびレッドリストを作成している。Fair Finance Guideでは、「自然環境」等のテーマにレッドリストの動物の保護方針に関する基準がある。
参考:WWFジャパン
http://www.wwf.or.jp/activities/wildlife/cat1014/cat1085/

自由で事前の情報が十分に提供された上での合意(FPIC)
自由で事前の情報が十分に提供された上での合意とは、2007年に国連総会で採択された「先住民族の権利に関する宣言」において定められた合意のことで、FPIC(Free Prior and Informed Consentの略)とも呼ばれている。先住民族の土地権・資源権に影響があるプロジェクトを実施する場合には、当該先住民族が自由に意見を言える状況において、情報が十分に提供された上で合意を得なければならないとされている。銀行が開発プロジェクトなどに融資する際に適用されるエクエーター原則においても先住民族のFPICを得ることが求められている。Fair Finance Guideでは、「人権」等のテーマに、FPICに関する基準がある。
参考1:先住民族の権利に関する国際連合宣言
http://www.un.org/esa/socdev/unpfii/documents/DRIPS_japanese.pdf

租税回避/租税回避地(タックスヘイブン)
租税回避とは、一般的に、形式的には違法ではないが通常用いられない取引を用いることによって、税負担を減少・排除することをいう。法律違反である脱税行為や法が本来予定している取引により税負担の軽減を図ろうとする節税行為とは異なる。海外の租税回避地(タックスヘイブン)との取引や資産の移転によって行われることが多く、租税回避が横行することによって税の公平性が損なわれるとして問題になっている。Fair Finance Guideでは、「税・汚職」等のテーマに、租税回避に関する基準がある。
参考:PwC税理士法人
http://www.pwc.com/jp/ja/tax-keywords/tax-avoidance.jhtml

CSRに関する国際規範・イニシアテイブ関連用語

国連グローバル・コンパクト
国連グローバル・コンパクトとは、人権の保護、不当な労働の排除、環境への対応、そして腐敗の防止に関わる10の原則で構成され、署名した企業・団体は、10原則を守って事業を行うことが求められる。Fair Finance Guideでは、「人権」「税・汚職」等のテーマに、国連グローバル・コンパクトに関する基準がある。
参考:グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン
http://ungcjn.org/gc/index.html

ビジネスと人権に関する指導原則(ラギー原則)
ビジネスと人権に関する指導原則(ラギー原則)とは、持続可能なグローバル化に貢献するためにビジネスと人権に関する基準と慣行を強化することを目的として、すべての国家とすべての企業に適用されるものである。ビジネスと人権に関する指導原則は、「保護、尊重、救済:『企業活動と人権』についての基本的な考え方」(2008年)に続いて2011年まとめられたもので、「保護、尊重、救済」の枠組みは、ハーバード大学のジョン・ラギー教授によって31の原則に整理されて定式化された。Fair Finance Guideでは、「人権」等のテーマに、ビジネスと人権に関する指導原則に関する基準がある。
参考:ヒューマンライツ大阪
http://www.hurights.or.jp/japan/aside/ruggie-framework/

OECD多国籍企業行動指針
OECD多国籍企業行動指針とは、1976年にOECDが行動指針参加国の多国籍企業に対して、企業に対して期待される責任ある行動を自主的にとるよう勧告するために策定したものである。行動指針はこれまで5回(1979年、1984年、1991年、2000年、2011年)改訂されている。行動指針には法的な拘束力はないが、一般方針、情報開示、人権、雇用及び労使関係、環境、贈賄・贈賄要求・金品の強要の防止、消費者利益、科学および技術、競争、納税等、幅広い分野における責任ある企業行動に関する原則と基準を定めてある。Fair Finance Guideでは、「人権」「税・汚職」等のテーマにOECD多国籍行動指針に関する基準がある。
参考:外務省 
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/csr/housin.html

GRIガイドライン
GRI(Global Reporting Initiative)ガイドラインとは、事業者が、環境・社会・経済的な発展に向けた方針策定、計画立案、具体的取組等を促進するための国際的なガイドラインである。GRIガイドラインは企業の経済面、社会面及び環境面のトリプルボトムラインが骨格となっている。GRIはオランダに本部を置くNGOでCSRガイドラインづくりを目的とする国連環境計画(UNEP)の公認協力機関である。Fair Finance Guideでは、「透明性」等のテーマにおける評価基準の一つとして、GRIガイドラインに関する基準がある。
参考:サステナビリティ日本フォーラム 
http://www.sustainability-fj.org/gri/about/

ISO14000シリーズ
ISO14000シリーズとは、環境マネジメントシステムを中心として、環境監査、環境パフォーマンス評価、環境ラベル、ライフサイクルアセスメントなど、環境マネジメントを支援する様々な手法に関する規格のことである。この中で中心となるのが、1996年に発効された環境マネジメントシステムの仕様を定めているISO14001である。ISO14001の基本的な構造は、PDCAサイクルと呼ばれ、(1)方針・計画(Plan)、(2)実施(Do)、(3)点検(Check)、(4)是正・見直し(Act)というプロセスを繰り返すことにより、環境マネジメントのレベルを継続的に改善していこうとするものである。
参考:環境省 
https://www.env.go.jp/policy/j-hiroba/04-iso14001.html

ISO26000
ISO26000とは、ISO(International Organization for Standardization 国際標準化機構)が2010年11月1日に発行した、組織の社会的責任に関する国際規格である。ISO26000は、あらゆる組織に向けて開発された社会的責任に関する世界初のガイダンス文書で、持続可能な発展への貢献を最大化することを目的としている。同時に、人権と多様性の尊重という重要な概念を包含している。
参考:社会的責任向上のためのNPO/NGOプラットフォーム
http://sr-nn.net/jigyo/seisakuteigen/iso26000

エクエーター原則(赤道原則)
エクエーター原則(赤道原則)とは、石油・ガス開発、鉱山開発、発電所建設、ダム建設、工場建設といった大規模な開発や建設プロジェクトにおいて、金融機関が融資実行前に自然環境や地域社会への影響評価を行い、融資後にも遵守状況のモニタリングを行う環境・社会影響に関する自主ガイドラインのことである。2003年6月に国際金融公社(IFC)と民間金融機関の協力の下制定され、2006年、2012年に改訂された。Fair Finance Guideでは、「人権」「自然環境」「採掘」「石油・ガス」等のテーマにおける評価基準の一つとして、エクエーター原則に関する基準がある。
参考:みずほフィナンシャルグループ
http://www.mizuho-fg.co.jp/csr/environment/equator/about.html

自然資本宣言
自然資本宣言とは、2012年、ブラジルで開催されたリオ+20において発表された世界の金融機関によるイニシアティブで、2015年現在40以上の金融機関が署名している。自然資本宣言では、以下の4項目を推進することを目的としている。1) 金融機関の事業が、自然資本にどのように依存し、どのような影響を与えているか、そしてそのことによってどのようなリスクとチャンスがあるのか把握する。2) 自然資本の評価を金融商品やサービスに組み込む。3) 企業の会計や意思決定に自然資本を組み込むことに関する、国際的な合意を形成する。4) 自然資本を統合した情報公開に関する、国際的な合意を形成する。日本からは、三井住友トラストホールディングスがCSRに関連する方針として、自然資本宣言に署名している。Fair Finance Guideでは、「自然環境」等のテーマに自然資本宣言に関する基準がある。
参考:レスポンスアビリティ 
http://www.responseability.jp/natural_capital/detail

FSC認証
FSC(Forest Stewardship Council)認証とは、森林の管理や伐採が、環境や地域社会に配慮して行われているかどうかを評価し、それが行われている森林を認証する制度である。その森林から生産された木材や木材製品(紙製品を含む)にロゴマークを付け、市場に流通させている。Fair Finance Guideでは、「林業」のテーマにFSC認証に関する基準がある。
参考:WWFジャパン 
http://www.wwf.or.jp/activities/nature/cat1219/fsc/

FSC Chain of Custody Criteria認証
FSC Chain of Custody Criteria認証とは、世界の森林の生産・加工・流通に関する認証である。サプライチェーン全体を通じ、製品が通る経路をすべて辿って、FSC認証原料が正確に識別され、他の非認証製品と分別されているかを確認するものである。NPOであるFSC(Forest Steward Council 森林管理協議会)が運営する国際的な制度である。Fair Finance Guideでは、「林業」のテーマにFSC Chain of Criteria認証に関する基準がある。
参考:FSCジャパン
https://jp.fsc.org/coc3546935388.23.htm

Forest Footprint Disclosure
Forest Footprint Disclosureとは、気候変動や水・森林といったナチュラル・キャピタル(自然資本)の使用やリスク、サプライチェーン等に関する情報開示のことである。世界中で取引されている何百万という製品に、「森林リスク・コモディティ」と呼ばれるマークが用いられ、木材、パーム油、畜牛、大豆、バイオ燃料の5つの製品に関する取引について公開されている。これによって、企業や機関投資家は、気候変動、水、森林という関連性のある情報を統合された形で扱うことができるようになる。Fair Finance Guideでは、「林業」のテーマにForest Footprint Disclosureに関する基準がある。
参考:フォレスト・フットプリント・ディスクロージャー2013質問書
https://www.cdp.net/en-US/WhatWeDo/Documents/2013%20FFD%20Information%20Request_JP.pdf

カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト
カーボン・ディスクロージャー・プロジェクトとは、機関投資家が連携し、企業に対して気候変動への戦略や具体的な温室効果ガスの排出量に関する公表を求めるプロジェクトのことである。このプロジェクトは2000年に開始し、主要国の時価総額の上位企業に対して、毎年質問表が送付されており、企業側からの回答率も年々高まっている。回答された質問表は基本的には公開され、取り組み内容に応じたスコアリングが世界に公表されており、企業価値を測る一つの重要事項となりつつある。Fair Finance Guideでは、「気候変動」のテーマに、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクトに関する基準がある。
参考1:エコフォルテ
http://www.ecoforte.jp/ecoforte/global/cdp.html
参考2:CDP JAPAN
https://www.cdp.net/en-US/WhatWeDo/Pages/cdp-japan-background.aspx

世界ダム委員会の7原則
世界ダム委員会の7原則とは、世界ダム委員会が2000年にとりまとめた報告書「ダムと開発」における、ダム建設に関わる意思決定の枠組みのことであり、以下の7つである:1) 公共の支持、2) 包括的な選択肢評価、3) 既存ダムへの取り組み、4) 河川と人々の生活の維持、5) 権利の認識とダムがもたらす恩恵の配分、6) ルールの順守、7) 平和・開発・安全のための河川共同利用。Fair Finance Guideでは、「発電事業」のテーマに世界ダム委員会の7原則に関する基準がある。
参考:外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/kunibetu/gai/morocco/sect03_01_0203.html

採取産業透明性イニシアティブ(EITI)
採取産業透明性イニシアティブ(EITI: Extractive Industries Transparency Initiative)とは、石油・ガス・鉱物資源等の開発に関わる採取産業から資源産出国政府への資金の流れの透明性を高めることを通じて、腐敗や紛争を予防し、成長と貧困削減につながる責任ある資源開発を促進する多国間協力の枠組みである。途上国政府、採取企業、市民社会の平等で開放的な参加形態が特徴である。2002年にヨハネスブルグで開催された持続可能な開発に関する世界首脳会議において英国のブレア首相(当時)により提案され、現在では39の資源産出国、日本を含む多数の支援国、そして数多くの採取企業やNGOが参加している。Fair Finance Guideでは、「石油・ガス」のテーマに採取産業透明性イニシアティブ(EITI)に関する基準がある。
参考:外務省 
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/commodity/eiti.html

国際金属鉱業評議会(ICMM)による持続可能な開発のための10基本原則
国際金属鉱業評議会(ICMM)による持続可能な開発のための10基本原則とは、企業の環境・安全衛生・人権等に関するパフォーマンス向上を目的としている。10原則は以下の通りである:1) 倫理的な企業統治、2) 意思決定過程への持続可能性の組み込み、3) 従業員・影響を受ける人々の基本的人権、文化、習慣、価値観、4) リスク管理戦略の導入、5) 労働安全衛生パフォーマンス、6) 環境パフォーマンス、7) 生物多様性保全及び土地利用への統合アプローチ、8) 責任ある設計、利用、再利用、リサイクル、廃棄、9) 操業地のコミュニティの社会、経済、制度発展への貢献、10) 効果的、透明性のある関わりとコミュニケーション、独立した証明を伴う報告制度。Fair Finance Guideでは、「鉱業」のテーマにICMMによる持続可能な開発のための10基本原則に関する基準がある。
参考:国際金属鉱業評議会(ICMM)
http://www.icmm.com/languages/japanese

報酬の方針と実施に関するヨーロッパガイドライン
報酬の方針と実施に関するヨーロッパガイドラインとは、ヨーロッパ銀行機構が、2015年3月に公表したガイドラインである。具体的には、報酬の上限や、固定報酬、成功報酬の算定基準等について定められている。Fair Finance Guideでは、「ボーナス」のテーマに報酬の方針と実施に関するヨーロッパガイドラインに関する基準がある。
参考: European Banking Authority(EPA)
https://www.eba.europa.eu/news-press/calendar?p_p_auth=mfkxr2DC&p_p_id=8&p_p_lifecycle=0&p_p_state=normal&p_p_mode=view&_8_struts_action=%2Fcalendar%2Fview_event&_8_eventId=1002371

WWFによるゴールド・スタンダード認証
クリーン開発メカニズム(CDM: Clean Development Mechanism)や共同実施(JI: Joint Implementation)プロジェクトの「質」の高さに関する認証基準である。温室効果ガスの削減につながると同時に、持続可能な開発に貢献することを支援するためのツールで、クレジットの買い手に対しては、クレジットの「質」を保証するものである。ゴールド・スタンダードの認証を得るためには、通常のプロジェクト・デザイン・ドキュメント(PDD)に加えて、ゴールド・スタンダード・パスポートという文書を提出する。Fair Finance Guideでは、「気候変動」のテーマにゴールド・スタンダード認証に関する基準がある。
参考:WWFジャパン 
http://www.wwf.or.jp/activities/climate/cat1297/cat1299/

アムネスティによるゴールデン・ルール
アムネスティによるゴールデン・ルールとは、国際人権法や国際人道法の重大な侵害に使用される、あるいは助長する危険がある場合、各国は武器を国際的に移転しない原則のことである。アムネスティは、すべての通常兵器とすべての種類の移転と関連する取引を網羅しうる、現実的な範囲を規定した条約を求めている。Fair Finance Guideでは、「兵器産業」のテーマにアムネスティによるゴールデン・ルールに関する基準がある。
参考:アムネスティー・インターナショナル
http://www.amnesty.or.jp/news/2008/0917_897.html

持続可能なバイオ燃料に関する円卓会議(RSB)の12原則
持続可能なバイオ燃料に関する円卓会議(RSB: Roundtable on Sustainable Biofuels)の12原則とは、持続可能なバイオ燃料生産を保証するための社会・環境的要件の普及のために、バイオ燃料事業者に対して課される基準であり、原則は以下の通りである:1) バイオ燃料生産・基準、2) 適応性、3) 計画策定・モニタリング、4) 継続的改善、5) 温室効果ガス排出、6) 人権及び労働者の権利、7) 農村・社会の開発、8) 地方での食料安全保障、9) 生態系保全、10) 水・大気、11) 技術利用・投入・廃棄物管理、12) 土地の権利。この会議はスイス連邦工科大学ローザンヌ校の呼びかけで組織され、原料生産者、バイオ燃料生産企業、輸送関連企業、NGO、政府機関等の組織がメンバーとなっている。Fair Finance Guideでは、「気候変動」のテーマに持続可能なバイオ燃料に関する円卓会議(RSB)の12原則に関する基準がある。
参考:Water CSR JAPAN
http://www.env.go.jp/policy/env-disc/com/com_pr01/mat04_2.pdf

ファーム動物福祉協議会(FAWC)による5つの自由
ファーム動物福祉協議会(FAWC:Farm Animal Welfare Committee)による5つの自由とは、イギリスのFAWCが提唱した考え方であり、以下が「5つの自由」の項目である:1) 飢えと渇きからの自由、2) 肉体的苦痛と不快感からの自由、3) 侵害や疫病からの自由、4) おそれと不安からの自由、5) 基本的な行動様式に従う自由。この「5つの自由」の考え方は、当初は、畜産動物に対して適用されていたものであったが、家庭動物等を含むすべての動物に適用すべき理念であるとして、世界獣医学協会(WVA:World Veterinary Association)などの機関においても取り入れられている。また、国際的な動物福祉の標準として各国の法令にも反映されている。Fair Finance Guideでは、「食」のテーマにファーム動物福祉協議会(FAWC)による5つの自由に関する基準がある。
参考:環境省
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/arikata/h16_01/mat04.pdf

環境・人権・平和に関する国際条約関連

世界人権宣言
世界人権宣言とは、1948年に国連において採択された人権に関する宣言で、13条で構成される。人権および自由を尊重し確保するために、「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準」として定められた。Fair Finance Guideでは、「人権」等のテーマに世界人権宣言に関する基準がある。
参考:外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/udhr/

国際人権規約
国際人権規約とは、世界人権宣言の内容を基礎としてこれを条約化したもので、人権諸条約の中で最も基本的かつ包括的なものである。社会権規約(経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約)と自由権規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約)で構成される。1976年に発効し、日本は1979年に批准した。Fair Finance Guideでは、「人権」等のテーマに国際人権規約に関する基準がある。
参考:外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kiyaku/

国際労働機関(ILO)の中核的労働基準
国際労働機関(ILO)の中核的労働基準とは、「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」によって定められた国際的に守られるべき最低限の労働基準のこと。「結社の自由及び団体交渉権」、「強制労働の禁止」、「児童労働の実効的な廃止」、「雇用及び職業における差別の排除」の4分野にわたって8条約の内容が含まれている。なお、日本は、8条約のうち、強制労働の廃止に関する条約、及び、雇用及び職業についての差別待遇に関する条約については未批准である。Fair Finance Guideでは、「労働」等のテーマの評価基準がILO中核的労働基準を参照して作成されている。
参考:日本労働組合総連合会(連合)
http://www.jtuc-rengo.or.jp/kokusai/ilo/

対人地雷禁止条約(オタワ条約)
対人地雷禁止条約とは、対人地雷の使用や生産等の禁止と廃棄を図る条約。正式名称は、対人地雷の使用、貯蔵、生産及び移譲の禁止並びに廃棄に関する条約。対人地雷の使用が非戦闘員の住民を巻き込む非人道的な兵器であるとして定められた。対人地雷の使用や生産等を全面的に禁止し、貯蔵地雷の4年以内の廃棄、埋蔵地雷の10年以内の除去などを規定している。1999年に発効。日本は1998年に批准した。Fair Finance Guideでは、「兵器産業」のテーマに対人地雷に関する基準がある。
参考:外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/arms/mine/genjo.html

クラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)
クラスター爆弾禁止条約(正式名称は、クラスター弾に関する条約。)とは、クラスター爆弾の生産や使用等を禁止する条約。クラスター爆弾とは爆弾の中に複数の小さな子弾を詰めたもので、非戦闘員の住民を巻き込む非人道的な兵器であるとして定められた。クラスター爆弾禁止条約の特徴的な部分は、犠牲者支援を締約国の義務として明文化したことがあげられる。2010年に発効。日本は2009年に批准した。Fair Finance Guideでは、「兵器産業」のテーマにクラスター爆弾に関する基準がある。
参考:外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/shomei_37.html

生物兵器禁止条約(BWC)
生物兵器禁止条約とは、細菌兵器や生物兵器の生産等を禁止する条約である。正式名称は、細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発,生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄に関する条約。戦争時の化学兵器や生物兵器の使用は、1925年のジュネーブ規定書で禁止されていたが、生物兵器禁止条約では開発、生産、貯蔵の禁止に拡大された。1975年に発効。日本は1982年に批准した。Fair Finance Guideでは、「兵器産業」のテーマに生物兵器に関する基準がある。
参考:外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/bwc/bwc/gaiyo.html

核兵器不拡散条約(NPT)
核兵器の不拡散に関する条約とは、核兵器の拡散を防ぐために定められた条約で、NPTとも呼ばれている。原子力技術の軍事転用を防止するために、非核兵器保有国に対して国際原子力機関(IAEA)による保障措置の受入を義務付けている。1970年に発効。日本は1976年に批准した。Fair Finance Guideでは、「兵器産業」のテーマに核兵器に関する基準がある。
参考:外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kaku/npt/gaiyo.html

気候変動枠組み条約/京都議定書
気候変動枠組み条約(正式名称は、気候変動に関する国際連合枠組条約)とは、気候変動の原因となっている大気中の温室効果ガス濃度の安定化を目的として定められた条約。1994年に発効。日本は1993年に批准した。同条約の下で、1995年から毎年、気候変動枠組条約締約国会議(COP)が開催されている。1997年には京都で第3回締約国会議(COP3)が開催され、先進国に対して温室効果ガスの削減を義務付けた京都議定書が策定された。Fair Finance Guideでは、「気候変動」等のテーマの評価基準が気候変動枠組み条約を参照して作成されている。
参考:環境省
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/cop.html

生物多様性条約/カルタヘナ議定書/名古屋議定書
生物多様性条約とは、生物多様性の保全、持続可能な利用、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を目的として定められた条約である。1993年に発効。カルタヘナ議定書(2003年発効)と名古屋議定書(2014年発効)は同条約の下で定められた議定書である。カルタヘナ議定書には、バイオテクノロジーにより改変された生物が生物多様性の保全や持続可能な利用に及ぼす悪影響を防止するための措置が規定されている。また、名古屋議定書には、遺伝資源の利用の機会提供とその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を図るための措置が規定されている。Fair Finance Guideでは、「自然環境」等のテーマにカルタヘナ議定書や名古屋議定書に関する基準がある。
参考:外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/bio.html

世界遺産条約
世界遺産条約とは、文化遺産や自然遺産を保護・保存するための国際的な協力及び援助の体制を確立することを目的とした条約。正式名称は、世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約。1975年に発効。日本は1992年に批准した。Fair Finance Guideでは、「自然環境」等のテーマに世界遺産に関する基準がある。
参考:外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/culture/kyoryoku/unesco/isan/world/isan_1.html

ラムサール条約
ラムサール条約とは、水鳥の生息地として国際的に重要な湿地やそこに生息・生育する動植物の保全を促し、湿地の適正な利用を進めることを目的とした条約。正式名称は、特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約。1975年に発効(日本では1980年に批准)。Fair Finance Guideでは、「自然環境」等のテーマにラムサール条約登録湿地に関する基準がある。
参考:外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/rmsl.html

ワシントン条約
ワシントン条約とは、野生動植物の国際取引の規制を輸出国と輸入国とが協力して実施することにより、採取・捕獲を抑制して絶滅のおそれのある野生動植物の保護をはかることを目的とした条約。正式名称は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(英文では、Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)で、頭文字をとってCITESとも呼ばれている。1975年に発効(ただし、日本では1980年に批准)。Fair Finance Guideでは、「自然環境」等のテーマにワシントン条約に関する基準がある。
参考:外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/wasntn.html

ウィーン条約/モントリオール議定書
ウィーン条約(正式名称は、「オゾン層の保護のためのウィーン条約」)とは、オゾン層の保護を目的とする条約で、この条約の下で、オゾン層破壊物質の規制がモントリオール議定書として定められている。ウィーン条約は1988年に発効し、モントリオール議定書は1989年に発効した(日本は、条約及び議定書について1988年に批准)。Fair Finance Guideでは、「健康」等のテーマにモントリオール議定書に関する基準がある。
参考:外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/ozone.html

バーゼル条約
バーゼル条約とは、有害廃棄物の国境を越える移動やその処分を規制するための条約。正式名称は、有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約。1992年に発効。日本は1993年に批准した。Fair Finance Guideでは、「健康」等のテーマにバーゼル条約に関する基準がある。
参考:外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/basel.html

ロッテルダム条約
ロッテルダム条約とは、有害な化学物質や駆除剤の適正な管理のために、輸入国側の意思(事前のかつ情報に基づく同意)を尊重して対応する手続きを定めた条約。正式名称は、国際貿易の対象となる特定の有害な化学物質及び駆除剤についての事前のかつ 情報に基づく同意の手続に関するロッテルダム条約。2004年に発効(日本でも同年から効力発生)。Fair Finance Guideでは、「健康」等のテーマにロッテルダム条約に関する基準がある。
参考:外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/rotterda.html

ストックホルム条約
ストックホルム条約とは、海洋汚染の大きな原因となっている物質の一つである残留性有機汚染物質(POPs)の排出を規制するための条約。正式名称は、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約で、POPs条約とも言われている。2004年に発効。日本は2002年に批准。Fair Finance Guideでは、「健康」等のテーマにストックホルム条約に関する基準がある。
参考:外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/pops.html