ゲリラ豪雨、超大型台風、干ばつなど、近年世界中で「異常気象」が頻発しており、その激しさも増しています。しかも、気候変動の対策が十分に取られなければこの傾向はさらに激化するとみられています。
金融機関はこの事態を打破する大きな可能性を秘めています。なぜなら、気候変動の原因となる温室効果ガスを大量に排出する火力発電所も、製鉄所も石油化学プラントも…すべて金融機関の投融資を受けて建設・運転しているからです。逆に、金融機関は自然エネルギーや省エネ技術に投融資することもできます。金融機関が気候変動対策の観点から投融資先を選び、そうした金融機関を私たちが選ぶことで気候変動対策は大きく進む可能性があります。
この分野での金融機関による国際的な取り組みとしては、例えば、「エクエーター原則」や「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)」があげられます。前者は、大規模な開発プロジェクトなどに金融機関が投融資する際、対象のプロジェクトに温室効果ガス排出量を削減するように働きかけたり、やむなく発生してしまう排出量を測定・公開したりすることを求める原則です。世界で70行以上の銀行が署名しています。
後者のCDPは金融機関や機関投資家による取り組みで、企業に対して気候変動への対策や温室効果ガスの排出量公開を求めていくプロジェクトです。2000年より毎年主要企業にアンケートを送っており、回答とプロジェクトによる点数化された数字が公開されます。
Fair Finance Guideでは、こういった取り組みをはじめとして、金融機関自身が温室効果ガスを削減する目標を立てていること、投融資先の排出量を把握し、全体の排出量を減らすための取り組みをしていること、自然エネルギーや省エネルギー事業への配慮方針を持っていることなどを評価項目としています。上記のような取り組みに参加していて、そのことを公開している金融機関は加点されています。
詳細な配点基準とスコア詳細はこちらからご覧ください。
→Fair Finance Guide スコア算出方法