金融機関の社会性格付け結果をアップデート―三井住友トラストがメガバンクを抜き国内トップに
日本国内のNGO3団体(A SEED JAPAN/「環境・持続社会」研究センター/アジア太平洋資料センター)は、国内の大手金融機関の投融資方針について、「気候変動」、「自然環境」、「人権」、「兵器産業」などテーマごとにその社会性を格付けするウェブサイト「Fair Finance Guide(フェア・ファイナンス・ガイド)」日本版(URL:http://fairfinance.jp)を共同で構築し、2014年12月に公開しました。本サイトは、国内大手金融機関の投融資方針の「社会性」について調査・格付けを行い、その格付けの結果をわかりやすく市民に提供することを通じて、銀行のCSR(企業の社会的責任)について、より良い競争をもたらすことを目指すものです。
これまで、2014年12月に社会性格付け結果を公開し、2015年10月に格付け結果をアップデートしましたが、前回から約半年を経て、このたび3回目の社会性格付けを実施しました。その結果、合計スコアで三井住友トラスト・ホールディングスがメガバンク3社を抜き、国内トップとなりました。これは同社が、以前より国連グローバル・コンパクト等を投融資基準に適用して来たことに加え、 2016年2月に赤道原則(プロジェクトファイナンス等における環境・社会配慮に関する国際的な民間ガイドライン)に署名したことに起因します。合計スコア自体は10点満点中2.8点と高い水準とはいえませんが、Fair Finance Guideの評価基準を受け、投融資方針の改善を開始した点は、高く評価されるべきと考えられます。また、農林中央金庫も若干スコアが向上しました。これは同機関の農林水産環境格付制度の具体的な評価項目として「化学農薬・化学肥料の使用削減 」「持続型農林水産業への取組み(FSCやMSCの取得等)」等が明確化されたことによります。
※これらの評価結果については事前に各社に送付しており、各社よりご指摘を受けた点については修正すること等により、可能な限り客観性を担保しております。