photo by Cluster Munitions Coalitions, UNDP, airborneshodan via flickr
上の写真は「クラスター爆弾」という兵器の一つとそれによって被害を受けた民間人の写真です。
クラスター爆弾は世界各地の紛争や戦争で使われ、被害を受ける方の98%は一般市民だと言われている「非人道的兵器」です。2011年~2014年間の3年間だけでも、日本のメガバンク3行からクラスター爆弾製造関連企業に約896億円の投融資が実施されてきたと言われています。

※フィリピン:リオツバニッケル鉱山ではもともと先住民族の土地であった山が切り開かれている。同鉱山開発地で行われているコーラル・ベイ・ニッケル製錬事業のサイト内から流れてくるトグポン川は鉱山土砂に汚染され、時期によっては環境基準を上回る濃度の六価クロムが検出される
途上国の開発プロジェクトで起こっている人権侵害問題。それにかかわる日本企業に対しても、日本の大手銀行から2012~2014年の2年間の間で7兆円以上の投融資がなされていたことがわかっています(人権ケース調査参照)。
世界を見渡すと、特に欧州の銀行では、「こうした社会問題に関わる企業・事業には投融資しない」という方針を掲げている銀行もあり、市民から支持を得ています。たとえば、倫理的な銀行として有名なオランダの「トリオドス銀行」は、2008年の金融危機以降も成長を続けており、2009年から2013年の間で総資産額を2倍以上に伸ばしました。
日本でも、こうした社会性の高い投融資方針をもつ銀行が増えてくれば、私たちは安心してお金を預けることができます。そこで、Fair Finance Guide Japanでは、2015年から日本の大手銀行の投融資方針の社会性を13テーマ、228以上の項目で「格付け」。フェアな方針を掲げている銀行ほど、高いスコアを得られる仕組みになっています。一方で、ケース調査も行っており、掲げられた方針と実態が異なる場合はスコア横に「!」マークが付けられ、詳しいケース調査結果のページに飛べるようになっています。
このウェブサイトにより、わたしたち市民はどの銀行がよりフェアな方針を掲げているかを知ることができます。また、アクションのページを通じて銀行へのメッセージを送付したり、口座の預け替えのための情報を得ることもできます。facebookページでは、サイトの更新や金融CSRに関する情報を配信しています。
そして、銀行側もこの格付け結果(スコア)により、自社の社会性の程度を具体的に把握することができるため、投融資方針の改善に向けて検討を進めやすくなります。
Fair Finance Guide Japanは、このように資金の流れをフェアにすることを通じて、世界の社会問題の解決に向けた動きを加速します。ぜひ、みなさまも本ウェブサイトを通じて、銀行へのメッセージを送付する、口座を変える等のアクションを実践してみてください!