EDINET
EDINETとは、「Electric Disclosure for Investors’ NETwork」の略で、「金融商品取引法に基づく有価証券報告書等の開示書類に関する電子開示システム」のことである。有価証券報告書・有価証券届出書・大量保有報告書などの開示書類をインターネットに公開することにより、提出者の事務負担の軽減、投資家等による企業情報へのアクセスの公平・迅速化を図ることを目的として、金融庁が構築したシステムである。
参考:EDINET概要書
https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/EKW0EZ0015.html
CSR報告書
CSR報告書とは、企業のCSR活動をまとめた報告書のこと。日本では1990年代後半から企業の環境活動をまとめた環境報告書として発展してきたが、Global Reporting Initiative(GRI)が経済・社会・環境の3つの面から評価するトリプルボトムラインの手法をガイドラインに採用し、CSR報告書へと発展した。日本のCSR報告書には、環境報告書に記載されていた経営責任者による緒言、環境方針、環境負荷の状況と対策、EMSの進捗状況などに加えて、法令順守や労働・安全衛生、社会貢献などに関する広範な事項が掲載されている。また、客観的な見解かつ専門的な知識を持つ第三者の意見を掲載したり、多様な利害関係者を招き、意見を直接聴いて企業活動に生かす「ステークホルダー・ダイアログ」や、ステークホルダー・エンゲージメントの理念を採用したりする企業も増えている。Fair Finance Guideでは、「透明性」等のテーマにCSR報告書やCSOとの対話に関する基準がある。
参考:緑のgoo
http://www.goo.ne.jp/green/business/word/business/S00188_kaisetsu.html
環境アセスメント(環境影響評価)
環境アセスメントとは、環境への負の影響を回避・緩和するために、その影響を調査・予測・評価すること。評価結果は、環境アセスメント報告書として公開され、作成にあたってステークホルダー協議などが行われる。環境のみならず社会面の影響を含めたアセスメントとして、環境・社会アセスメントがある。民間銀行が大規模な開発プロジェクト等に融資を行う場合は、エクエーター原則に則って環境・社会アセスメントが行われる。Fair Finance Guideでは、「自然環境」等のテーマに環境アセスメントに関する基準がある。
参考1:環境影響評価情報支援ネットワーク
http://www.env.go.jp/policy/assess/index.html
保護価値の高い森林(HCVF)
保護価値の高い森林(HCVF)とは、環境、社会経済、生物多様性、又は景観の価値の観点から重要な森林のこと。具体的には、世界的、地域的、国内的に重要な固有種や絶滅危惧種などが生息する森林や地域のコミュニティにとって重要な森林、危機的な状況において、水源の保護、土壌浸食制御など、自然の基本的なサービスを提供する森林を意味する。1999年に森林管理協議会(FSC)の森林認証制度で初めて提唱された概念だが、現在では幅広く活用されている。Fair Finance Guideでは、「自然環境」等のテーマにHCVFの保護方針に関する基準がある。
参考:WWFジャパン
http://www.wwf.or.jp/activities/2009/09/701514.html
レッドリスト
レッドリストとは、国際自然保護連合(IUCN)によって発表されている世界の絶滅のおそれのある動物のリスト。危機の度合いに応じてランク分けされており、一般に「絶滅のおそれのある野生生物」とされているのは、近絶滅種(CR)、絶滅危惧種(EN)、危急種(VU)の3つである。なお、日本の環境省もIUCNが作成したレッドリストの評価基準に基づいて日本独自のレッドデータブックおよびレッドリストを作成している。Fair Finance Guideでは、「自然環境」等のテーマにレッドリストの動物の保護方針に関する基準がある。
参考:WWFジャパン
http://www.wwf.or.jp/activities/wildlife/cat1014/cat1085/
OECD多国籍企業行動指針
OECD多国籍企業行動指針とは、1976年にOECDが行動指針参加国の多国籍企業に対して、企業に対して期待される責任ある行動を自主的にとるよう勧告するために策定したものである。行動指針はこれまで5回(1979年、1984年、1991年、2000年、2011年)改訂されている。行動指針には法的な拘束力はないが、一般方針、情報開示、人権、雇用及び労使関係、環境、贈賄・贈賄要求・金品の強要の防止、消費者利益、科学および技術、競争、納税等、幅広い分野における責任ある企業行動に関する原則と基準を定めてある。Fair Finance Guideでは、「人権」「税・汚職」等のテーマにOECD多国籍行動指針に関する基準がある。
参考:外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/csr/housin.html
GRIガイドライン
GRI(Global Reporting Initiative)ガイドラインとは、事業者が、環境・社会・経済的な発展に向けた方針策定、計画立案、具体的取組等を促進するための国際的なガイドラインである。GRIガイドラインは企業の経済面、社会面及び環境面のトリプルボトムラインが骨格となっている。GRIはオランダに本部を置くNGOでCSRガイドラインづくりを目的とする国連環境計画(UNEP)の公認協力機関である。Fair Finance Guideでは、「透明性」等のテーマにおける評価基準の一つとして、GRIガイドラインに関する基準がある。
参考:サステナビリティ日本フォーラム
http://www.sustainability-fj.org/gri/about/
ISO14000シリーズ
ISO14000シリーズとは、環境マネジメントシステムを中心として、環境監査、環境パフォーマンス評価、環境ラベル、ライフサイクルアセスメントなど、環境マネジメントを支援する様々な手法に関する規格のことである。この中で中心となるのが、1996年に発効された環境マネジメントシステムの仕様を定めているISO14001である。ISO14001の基本的な構造は、PDCAサイクルと呼ばれ、(1)方針・計画(Plan)、(2)実施(Do)、(3)点検(Check)、(4)是正・見直し(Act)というプロセスを繰り返すことにより、環境マネジメントのレベルを継続的に改善していこうとするものである。
参考:環境省
https://www.env.go.jp/policy/j-hiroba/04-iso14001.html
ISO26000
ISO26000とは、ISO(International Organization for Standardization 国際標準化機構)が2010年11月1日に発行した、組織の社会的責任に関する国際規格である。ISO26000は、あらゆる組織に向けて開発された社会的責任に関する世界初のガイダンス文書で、持続可能な発展への貢献を最大化することを目的としている。同時に、人権と多様性の尊重という重要な概念を包含している。
参考:社会的責任向上のためのNPO/NGOプラットフォーム
http://sr-nn.net/jigyo/seisakuteigen/iso26000
自然資本宣言
自然資本宣言とは、2012年、ブラジルで開催されたリオ+20において発表された世界の金融機関によるイニシアティブで、2015年現在40以上の金融機関が署名している。自然資本宣言では、以下の4項目を推進することを目的としている。1) 金融機関の事業が、自然資本にどのように依存し、どのような影響を与えているか、そしてそのことによってどのようなリスクとチャンスがあるのか把握する。2) 自然資本の評価を金融商品やサービスに組み込む。3) 企業の会計や意思決定に自然資本を組み込むことに関する、国際的な合意を形成する。4) 自然資本を統合した情報公開に関する、国際的な合意を形成する。日本からは、三井住友トラストホールディングスがCSRに関連する方針として、自然資本宣言に署名している。Fair Finance Guideでは、「自然環境」等のテーマに自然資本宣言に関する基準がある。
参考:レスポンスアビリティ
http://www.responseability.jp/natural_capital/detail
カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト
カーボン・ディスクロージャー・プロジェクトとは、機関投資家が連携し、企業に対して気候変動への戦略や具体的な温室効果ガスの排出量に関する公表を求めるプロジェクトのことである。このプロジェクトは2000年に開始し、主要国の時価総額の上位企業に対して、毎年質問表が送付されており、企業側からの回答率も年々高まっている。回答された質問表は基本的には公開され、取り組み内容に応じたスコアリングが世界に公表されており、企業価値を測る一つの重要事項となりつつある。Fair Finance Guideでは、「気候変動」のテーマに、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクトに関する基準がある。
参考1:エコフォルテ
http://www.ecoforte.jp/ecoforte/global/cdp.html
参考2:CDP JAPAN
https://www.cdp.net/en-US/WhatWeDo/Pages/cdp-japan-background.aspx
採取産業透明性イニシアティブ(EITI)
採取産業透明性イニシアティブ(EITI: Extractive Industries Transparency Initiative)とは、石油・ガス・鉱物資源等の開発に関わる採取産業から資源産出国政府への資金の流れの透明性を高めることを通じて、腐敗や紛争を予防し、成長と貧困削減につながる責任ある資源開発を促進する多国間協力の枠組みである。途上国政府、採取企業、市民社会の平等で開放的な参加形態が特徴である。2002年にヨハネスブルグで開催された持続可能な開発に関する世界首脳会議において英国のブレア首相(当時)により提案され、現在では39の資源産出国、日本を含む多数の支援国、そして数多くの採取企業やNGOが参加している。Fair Finance Guideでは、「石油・ガス」のテーマに採取産業透明性イニシアティブ(EITI)に関する基準がある。
参考:外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/commodity/eiti.html
国際金属鉱業評議会(ICMM)による持続可能な開発のための10基本原則
国際金属鉱業評議会(ICMM)による持続可能な開発のための10基本原則とは、企業の環境・安全衛生・人権等に関するパフォーマンス向上を目的としている。10原則は以下の通りである:1) 倫理的な企業統治、2) 意思決定過程への持続可能性の組み込み、3) 従業員・影響を受ける人々の基本的人権、文化、習慣、価値観、4) リスク管理戦略の導入、5) 労働安全衛生パフォーマンス、6) 環境パフォーマンス、7) 生物多様性保全及び土地利用への統合アプローチ、8) 責任ある設計、利用、再利用、リサイクル、廃棄、9) 操業地のコミュニティの社会、経済、制度発展への貢献、10) 効果的、透明性のある関わりとコミュニケーション、独立した証明を伴う報告制度。Fair Finance Guideでは、「鉱業」のテーマにICMMによる持続可能な開発のための10基本原則に関する基準がある。
参考:国際金属鉱業評議会(ICMM)
http://www.icmm.com/languages/japanese
WWFによるゴールド・スタンダード認証
クリーン開発メカニズム(CDM: Clean Development Mechanism)や共同実施(JI: Joint Implementation)プロジェクトの「質」の高さに関する認証基準である。温室効果ガスの削減につながると同時に、持続可能な開発に貢献することを支援するためのツールで、クレジットの買い手に対しては、クレジットの「質」を保証するものである。ゴールド・スタンダードの認証を得るためには、通常のプロジェクト・デザイン・ドキュメント(PDD)に加えて、ゴールド・スタンダード・パスポートという文書を提出する。Fair Finance Guideでは、「気候変動」のテーマにゴールド・スタンダード認証に関する基準がある。
参考:WWFジャパン
http://www.wwf.or.jp/activities/climate/cat1297/cat1299/
持続可能なバイオ燃料に関する円卓会議(RSB)の12原則
持続可能なバイオ燃料に関する円卓会議(RSB: Roundtable on Sustainable Biofuels)の12原則とは、持続可能なバイオ燃料生産を保証するための社会・環境的要件の普及のために、バイオ燃料事業者に対して課される基準であり、原則は以下の通りである:1) バイオ燃料生産・基準、2) 適応性、3) 計画策定・モニタリング、4) 継続的改善、5) 温室効果ガス排出、6) 人権及び労働者の権利、7) 農村・社会の開発、8) 地方での食料安全保障、9) 生態系保全、10) 水・大気、11) 技術利用・投入・廃棄物管理、12) 土地の権利。この会議はスイス連邦工科大学ローザンヌ校の呼びかけで組織され、原料生産者、バイオ燃料生産企業、輸送関連企業、NGO、政府機関等の組織がメンバーとなっている。Fair Finance Guideでは、「気候変動」のテーマに持続可能なバイオ燃料に関する円卓会議(RSB)の12原則に関する基準がある。
参考:Water CSR JAPAN
http://www.env.go.jp/policy/env-disc/com/com_pr01/mat04_2.pdf
ファーム動物福祉協議会(FAWC)による5つの自由
ファーム動物福祉協議会(FAWC:Farm Animal Welfare Committee)による5つの自由とは、イギリスのFAWCが提唱した考え方であり、以下が「5つの自由」の項目である:1) 飢えと渇きからの自由、2) 肉体的苦痛と不快感からの自由、3) 侵害や疫病からの自由、4) おそれと不安からの自由、5) 基本的な行動様式に従う自由。この「5つの自由」の考え方は、当初は、畜産動物に対して適用されていたものであったが、家庭動物等を含むすべての動物に適用すべき理念であるとして、世界獣医学協会(WVA:World Veterinary Association)などの機関においても取り入れられている。また、国際的な動物福祉の標準として各国の法令にも反映されている。Fair Finance Guideでは、「食」のテーマにファーム動物福祉協議会(FAWC)による5つの自由に関する基準がある。
参考:環境省
https://www.env.go.jp/nature/dobutsu/aigo/2_data/arikata/h16_01/mat04.pdf
国際人権規約
国際人権規約とは、世界人権宣言の内容を基礎としてこれを条約化したもので、人権諸条約の中で最も基本的かつ包括的なものである。社会権規約(経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約)と自由権規約(市民的及び政治的権利に関する国際規約)で構成される。1976年に発効し、日本は1979年に批准した。Fair Finance Guideでは、「人権」等のテーマに国際人権規約に関する基準がある。
参考:外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kiyaku/
国際労働機関(ILO)の中核的労働基準
国際労働機関(ILO)の中核的労働基準とは、「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」によって定められた国際的に守られるべき最低限の労働基準のこと。「結社の自由及び団体交渉権」、「強制労働の禁止」、「児童労働の実効的な廃止」、「雇用及び職業における差別の排除」の4分野にわたって8条約の内容が含まれている。なお、日本は、8条約のうち、強制労働の廃止に関する条約、及び、雇用及び職業についての差別待遇に関する条約については未批准である。Fair Finance Guideでは、「労働」等のテーマの評価基準がILO中核的労働基準を参照して作成されている。
参考:日本労働組合総連合会(連合)
http://www.jtuc-rengo.or.jp/kokusai/ilo/
気候変動枠組み条約/京都議定書
気候変動枠組み条約(正式名称は、気候変動に関する国際連合枠組条約)とは、気候変動の原因となっている大気中の温室効果ガス濃度の安定化を目的として定められた条約。1994年に発効。日本は1993年に批准した。同条約の下で、1995年から毎年、気候変動枠組条約締約国会議(COP)が開催されている。1997年には京都で第3回締約国会議(COP3)が開催され、先進国に対して温室効果ガスの削減を義務付けた京都議定書が策定された。Fair Finance Guideでは、「気候変動」等のテーマの評価基準が気候変動枠組み条約を参照して作成されている。
参考:環境省
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/cop.html
生物多様性条約/カルタヘナ議定書/名古屋議定書
生物多様性条約とは、生物多様性の保全、持続可能な利用、遺伝資源の利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を目的として定められた条約である。1993年に発効。カルタヘナ議定書(2003年発効)と名古屋議定書(2014年発効)は同条約の下で定められた議定書である。カルタヘナ議定書には、バイオテクノロジーにより改変された生物が生物多様性の保全や持続可能な利用に及ぼす悪影響を防止するための措置が規定されている。また、名古屋議定書には、遺伝資源の利用の機会提供とその利用から生ずる利益の公正かつ衡平な配分を図るための措置が規定されている。Fair Finance Guideでは、「自然環境」等のテーマにカルタヘナ議定書や名古屋議定書に関する基準がある。
参考:外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/bio.html
ワシントン条約
ワシントン条約とは、野生動植物の国際取引の規制を輸出国と輸入国とが協力して実施することにより、採取・捕獲を抑制して絶滅のおそれのある野生動植物の保護をはかることを目的とした条約。正式名称は、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(英文では、Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)で、頭文字をとってCITESとも呼ばれている。1975年に発効(ただし、日本では1980年に批准)。Fair Finance Guideでは、「自然環境」等のテーマにワシントン条約に関する基準がある。
参考:外務省
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/kankyo/jyoyaku/wasntn.html